Alanna Knight 2

今回読んでみた『エジンバラの古い柩』(1989)も同じくファロ警部補シリーズになりますが、前作以上のスケール感で物語は展開されて行きます。エジンバラ〔英語は”Edinburgh”なのでエディンバラが妥当でしょうか〕はスコットランドの首都で、文字通りスコットランドの歴史を築いてきた都市です。この本でもイングランドとのさや当ては描かれていて、国というのはいつになっても、郷土への哀愁に苛まれることで、普遍的な愛国心とは交われない部分はあるのだなと、妙に得心してしまいました。さて、この物語には、英国の王室系譜を根底から揺るがしかねない事件が、ふとした弾みからあからさまになってきます。そして発生する、謎の事故死の連続、いったい裏で何が進んでいるのでしょう。ドキドキするミステリサスペンス劇ではありますが、前作同様に、今回も魅力的なご婦人方が登場してきて、物語に彩りを添えます。この地域では、人によってはメアリ―女王への偏愛が激しく残っているようで、逆に言うと、当時の主君ヴィクトリア女王への忠誠には甚だ欠けているような状況でした。こうした中で、時の国体を護る立場でもある警部補ファロが置かれた難しい状況はどうなるのか、これはもう最後まで読んでもらうしか手は有りませんね。この本はシリーズ二作目、はたしてこれからどうなるのか、先のことを考えると愉しみです。