何だかんだ言って、古書店巡りは自分のライフワークになっていますので、散歩がてら隣町の図書館で、ローレンス&ナンシー・ゴールドストーンの書いた『古書店めぐりは夫婦で:Used and Rare』(1997)を見つけたときに、ミステリーものではありませんが、借りてしまいました。この本のストーリーは、とある夫婦の奥さんが、夫の誕生日に贈り物として「戦争と平和」の英訳本を贈ろうとしたものの、限られた予算のなかでは体裁のいいハードカバー本が売られていません。そこで祖父や知り合いに相談して古書探しの道が始まり、次第に拍車がかかって、夫婦揃ってあちこちの古書店めぐりや古書市、はたまたオークションにまで顔をつっこむ事態になりました。素人から稀覯本マニアに至るまで、プロセスを追ってストーリーが進みますので、この分野に明るくない人でも十分に愉しめる内容になっています。また、この本のなかで出てくる古書店主とのやり取りにも含蓄があります。気に入ったのは「旬」という言葉です。まずは前提として「古書の価格は文学的価値とは無関係」という事実をふまえて考えていくと、古書の価格を大きく左右するのは「旬」の有無であり、これは「ロマンス」とも言い換えることができるようです。初版であることや、限定的な版であることで、どんどん価格は高騰していきます。もちろん美本であるなしも大切な要素になります。ここでは書物だけを取り上げておりますが、じつは中古カメラや中古車の世界でも、古書と似たような現象が起きている気がしています。本書の中で例示されている書物も大変勉強になるので、この本を購入してみて、これからの本選びの参考にしていきたいと思います。









