キラン草_Ajuga decumbens

春になって至ることろで草花が咲き誇るようになったので、その存在を理解している人は少ないかもしれませんが、自分が好きな「雑草」のなかで、キランソウというのがあります。シソ科の多年草で、ちょうど春に紫色のちいさな花を咲かせます。目立たないのは、その草丈で、まるで地面にへばりつくように咲いています。この花、薬効があり、生薬としても使われているようです。高血圧、咳止め、解熱、健胃、下痢止め、やけど、切り傷、かぶれなどに効くとされています。万能薬的な効能がある様です。そんなわけで、イシャゴロシとかイシャイラズとか呼ばれている地方もありますが、日本全国もっとも使われている別名は「ジゴクノカマノフタ」です。文字通り、地面にへばりついた姿が、その薬効とともに、これを煎じて飲めば医者も要らずに、地獄に落ちることもない(病気で死ぬこともない)とかいう意味のようです。すごい命名ですね。
余談になりますが「地獄の窯の蓋」というワードが気になり調べてみました。この窯の管理者は誰かというと、皆さんご存じの閻魔大王さまと、その手下の鬼たちです。我々は彼らを怖がっていますが、幸か不幸か彼らも年がら年中「仕事で」休む暇さえありません。そんな彼らも、年二回、正月16日とお盆16日頃には、地獄の窯の蓋を開けて休みを取る習わしになっているとか。じつはこのワード「働きづめでなく休むことの大切さ」を訴えているようです。そして「休むこと」は「健康」にもつながります。昔の人々は、薬効豊かなキラン草に、そんな健康の象徴としてネーミングしたのかも知れません。