烏野豌豆

いまの時期は花粉症がひどく、集中力を維持することが困難ですが、近所を散歩しているときに足許にスカイブルーの可愛い小さい花が咲き始めたことに気がつきました。葉っぱも丸く、マメ科の雑草だという事が分かります。標題を読める人はあまり居ないと思いますが、『カラスノエンドウ』です。花が終わると実を付けますが、マメ科なのでちっこいさやまめ状の豆果が実ります。さやのなかには五つほどの実がありますが、やがて熟して黒くなります。さやはねじれて中のタネを外に弾き飛ばします。こうした背丈の小さい野草は、一生懸命にタネを遠くに拡散する工夫をしていて、カラスノエンドウの場合は、「弾き飛ばしの術」を使います。子ども(=次の世代)が親の足許でニートしているばかりでは、種としては将来の発展性が無いので、心を鬼にしてなるべく遠い世界に弾き飛ばすように親は努めています。どうしてどうして、子供をいつまでも甘やかしている人間の世界に比べると、このようなちっぽけな野草でも立派に見えてくるので不思議です。