HAKODATE WALK 3

外に向けて開放されていた街ゆえに、他の街では見られないほどの異文化が接近遭遇しています。ロシア正教(ハリストス正教会)とカトリック(元町教会)、そしてプロテスタント(聖ヨハネ教会)、さらには仏教(真宗大谷派函館別院)の寺院や教会が軒を並べて建っている風景は、信仰心とは程遠い日本人でも違和感を感じることでしょう。郊外に行けば、外国人墓地があって、プロテスタント、カトリック、中国人、ロシア人に加えて、なぜか旧南部藩士の墓も、互いに区分けはされつつも隣接して残っています。こうした多様性はとても貴重で、歴史の中で分断行為ばかりが目立つという、数多ある人間の悪しき行状を振り返ると、何やらとても新鮮に思えてきます。人は一人では生きられず、ときに永遠の何かに祈りを捧げたくなるような小さな存在であります。そして、人は誰でも、時が来ればやがて土に還っていく束の間の存在でもあります。インクルーシヴな考え方は、昨今の単なるトレンドとは関係なく、ここ函館ではその昔から当たり前に存在していた概念なのでしょう。