松本から安曇野に行くと「アートライン」と呼ばれる一帯に、さまざまの美術館や博物館、記念館が点在しています。自然豊かで美しいこの地に多くの芸術家が居を構えたことも頷けます。そのような中で、山岳写真と蝶の細密画が展示されている「田淵行男記念館」を訪れました。自分自身は被写体を求めて高い山を登ったり、ひたすら耐えてしぶとくシャッターチャンスを待つような根性が全くないので山岳写真などはムリなのですが、作品を鑑賞すること自体は好きです。そこで展示されていた写真にも感動しましたが、撮影機材として飾られていたカメラに釘付けになりました。二眼カメラのコニフレックスと、最初期の一眼レフカメラになる旭光学アサヒフレックスです。山岳写真家はただでさえ嵩張る登山用具に加えて、こうした重い撮影機材を担いで山登りをするわけですから、いまからすれば、とんでもない苦行になります。それでも帯同したということは、並々ならぬ撮影意欲に促されてのものでしょう。たかが街歩き撮影で「少しでも重いカメラやレンズは嫌だ」と年じゅう文句を言っている自分には、たいそう形見の狭くなるような展示物でした。









