アブvsハチ

ここに来てハチも随分と活発に飛び回るようになってきました。実際に花は、3月ぐらいからぽつぽつ咲き始めるのですが、寄ってくるのはほとんどがアブの仲間のハナアブ、つまりハエの仲間です。彼等のほうがハチよりも寒さに強いので、その時期に咲く花の場合は、ハナアブこそが花粉を運んでくれるお客様になるのです。ところが多くのハナアブ類は長い口吻(ストロー状になっていて、花の奥にある蜜を吸い上げることが出来る)がありません。それに合わせて比較的平らな花が多いようです。花が蜜まで提供して、花粉を運んでもらおうとしているのは、当然、自分と同じ種類の植物の雌しべですので、平らな花ばかりだと、簡単に蜜が吸えるので、客(訪花昆虫)ばかり増えてしまい、あまり送粉(受粉)効率はよく有りません。ところが、いま出現しているハナバチの仲間は、多くはストロー状の長い口吻を持っていますので、その口の特殊性に合わせて花の形を作れば、同じ種類の他の株に花粉を運んでもらい、ずっと効率的な送粉活動ができることになります。つまりハナバチ相手の専門店化してしまうことを、長い進化の中で決めたと思われる植物があります。ちょうど今の時期、ドウダンツツジやオドリコソウ、そしてホタルブクロなどの変わった形の花が咲いていますが、彼等は皆、一見さんお断りのハナバチ専門店になっているとも言えます。花を咲かせる時期も統制して、お客様のハナバチの出現に合わせているのでしょう。(写真は今月初日に撮ったハナアブです。奥に蜜を持つ専門店シロツメクサに苦戦中ですw)