ドナート・カッリージ

常軌を逸した犯人を描くクライムサスペンスは基本的には苦手ですが、イタリアでベストセラーになった『六人目の少女』を読んでみました。なんでこれが傑作と云われるのか、自分にはさっぱり分かりませんでした。バンカレッラ賞始め、各国でたくさんの文学賞を獲得している作品なのですが、個々の殺人のトリックは、ほとんど論理的でないので、あまり感情移入が出来ませんでした。おそらく作者が言いたいことは、人間の闇は誰にでもあって、そのことにすら気づいてもいない人もいる、ということなのかも知れません。この手の本を読むときにいつも感じることですが、この世の中は基本男女半々なのですが、本当にそれがいいのかどうか、ということです。犯罪にしても戦争にしても、加害者のほとんどは男です。男性が少ないほうが、世の中は平和になるように思えてなりません。地球上の生物種を見てみると、雌雄比率は千差万別です。種の存続のために雌ばかりの種もいます(雄はたんなる種馬的存在で用事が済むとポイ)。神様の見えざる手により、霊長類の人間は半々に産み分けられているので、精神世界ではそれが真理なのかも知れませんが、分母が減れば乱暴狼藉を働く個体(犯罪者)も自ずと減るはずです。少々脱線してしまいましたが、読み終えたあとにそんな気にさせられました。