花粉症対策

じつを言うと、花粉症からこじらせ、先週後半は体調を崩し寝込んでいました。何十年もスギ花粉に悩まされ続けてきた身でも、けっこう堪えましたね。
そういえば、スギ花粉症対策の話として、先週花粉症対策関係閣僚会議なるものが開催されたようです。岸田総理からは「花粉症はこれまで長い間、各省庁で取り組みが行われてきましたが、いまだ多くの国民を悩ませ続けている我が国の社会問題といえるものです」と強調をしたようですが、背景として省庁間の縦割り行政によって(抜本的な対策が)長年阻まれてきた雰囲気をプンプン感じました。
たしかに、今日のスギ花粉症を引き起こした元凶は、戦後の政府による林野行政の過ち(価格的に勝てるはずない国産杉材で住宅復興させようと、やっきになってあらゆる山々にスギの植林を推し進めた)ですから、その主犯たる農水省(林野庁)にスギ伐採を推進させることには無理があります。
役人というのは、前の役人が起こした過ちを露呈されることを極度に避けようとします。国民の声に対して、申し訳程度に、花粉を出さないスギの植林などをしていますが、過去の農水省事務次官の会見では「今の花粉症というものが、いろいろ大気汚染の問題とか、他の原因もいろいろ考えられますので、林業政策と直に花粉症の問題を結びつけられるのはどうかと思います」という感じで、責任の所在を曖昧にして逃げています。
農水省トップからしてこんなスタンスですので、当事者意識なしでやっていては、いつまで経っても花粉症問題は解決しないでしょう。「森林樹種を転換する」「間伐も積極的に進める」というのが直近の対策ですが、これらに対しても「地球温暖化の問題ともつながるので云々」とか、あげくのはてに「林業政策に十分な予算の手当がされていない」とかの言い訳に終始しています。
究極的には政府予算の手当てに頼るわけですが、肝心の監督省庁が及び腰のなか、果たして上手く行くのかどうか。この政策に関しては人ごとではないので注視していきたいと思います。

拙宅裏山にすくすくと育つスギの雄花。天気が良いと一斉に花粉散布。