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とらくろ改造(第2弾)



シートポスト
とらくろが、名実ともにフォールディングバイクとして活躍するためにも、軽量化は必須ですが、今までのチューンナップでは、ペダルもシートポストも重量増になってしまっています。ペダルに関しては安全投資といういうこともあり、重量増は甘んじて受けますが、シートポストについてはやはり軽量化を志向したいと思っています。

オリジナルでは長さが足りないので、暫定対策としてコーダ君のシートポストを取り付けておりますが、サスペンション付きシートポストということで、なんと450gもあるのです。サスペンションは、小生にとっては重くなるだけの余計な機能であり、巡航時のフワフワ違和感など、決して好ましいものではありません。これは真っ先に再交換したいと思っています。

ショップで相談したところ、コーダ君に取り付けたSyncrosがよさげなので、とらくろにもこれを付けることに致しました(27.2φ×350mm)。アルミ合金とは云え、相当の軽量化(450→270g)が出来ます。早速取り替えてみましたが、車体の中央部分をつかさどるシートポストなので、非常に精悍な感じになりました。アルミフレームの小径車なので、路面の凹凸は、かなりストレートに拾ってしまいますが、サドルへの衝撃は意外と少ないので安心しました。

Syncrosシートポスト
再換装シートポスト



クランク交換
第2弾の改造で、最も大掛かりなのはクランク(チェーンリング)の交換になります。小生にとっては、とらくろは旅チャリという存在です。A点からB点までひたすら走る相棒ではなく、B点のそばまで折畳んで行って、そこで徒歩ではカバーできない範囲を徘徊するような使い方をしたいと考えています。

ミニベロの使い方
クロスバイクとフォールディング・ミニベロ。

ロングライドを目的としていないので、スピードは20km/hも出せれば十分です。チャリとは云え、あまり速いと肝心のものを見落としてしまいます。ここでいう肝心なものとは、道端の猫とか花、あるいは路地裏のお店などです。スローな旅を志向する以上、こういったものに価値を置きたいと思います。
クロスバイクで、交通量の多い一般道路を走ることが好きではない理由は、危ないことと、前に注意しなくてはいけないので、わき見や寄り道がなかなか出来なくなるからです。里山や河畔/海岸などをフラフラ走るのが好きです。でも、こんな道ではアップダウンはかなりあります。いちいち押して上れないので、そこそこの登坂性能が欲しいところです。

スピードよりトルク。こういった事から、よりローギアードのセッティングにしていきたいと思っているのですが、小径チャリゆえに、リアディレイラーとのクリアランスが十分ではなく、スプロケットを大きくすることは難しそうです。よってクランク側の歯数を減らして対処することにしました。

ショップに相談に行ったところ、たまたま在庫で、スギノの一体型クランク(チェーンリングとカバー付)の適当なもの(44T)があったので、これに付け替えることに致しました。たしかオリジナルのクランクもスギノ(OEM)だったとは思いますが、付け替えてみると質感は段違いです。クランクにスギノのロゴががっちり入ることで、クランクが自己主張しているような感じです。黒いチェーンカバーも車体色に合っています。

肝心のギア比ですが、オリジナルは52Tでしたので、ローではギア比が1.86から1.57になりました。700C換算では大体1.05ぐらいになります。(この計算法が正しいかは疑問ですが)クランク長も165mmから170mmにしたので、これで更にパワー感は向上したような感じもあります。ショップから拙宅まで帰る際に、試しに多摩丘陵越えをしてみましたが、難なく上がれたので、この改造は大正解でした。

クランク交換
クランク交換、オリジナルよりずいぶん高級感。



とらくろ雑感
基本的には、とらくろの改造はこれで一段落になります。あとはタイヤ磨耗時に、新タイヤへの交換が残っている程度です。オリジナルのBSタイヤはなかなかグリップが良いのですが、オープンサイド構造なので、下手をすると悪路ではサイドが破れます。よって、付け替えはサイドスキンのしっかりしたタイヤをはめようと思っています。

クランクを交換後の印象ですが、当り前のことですが、ペダリングがずいぶん軽くなりました。一方、最高速はぐっと抑えられてしまいます。平地の場合では、トップギアでケイデンスをフル回転させても、まあ25km/h以上は出せません。でもこれは気にしません。後述しますが、とらくろは速く走るような相棒にはしたくないからです。

坂道は、速度は出ませんがシコシコ上がっていけます。舗装路ではなく尾根道などのダート坂道は、スポット的にかなりの急坂で、相当の負荷が掛るのですが、それでも小径車の特性か、ギコギコ登っていくことが出来ます。(トルクが掛りすぎると空転するのは愛嬌、将来タイヤを交換すれば解決するはず)もしかすると同条件ならば、小径車のほうが登坂に強い?ような気がしてきました。しかも、とらくろは後輪より前輪が小さいのですが、坂を登っているときの実感では、この構成は正解のような感じです。

こんな風にして、それなりに見違えたとらくろ。年末には八重山ポタリングを計画しておりますが、もしかすると、八重山サイズなら、とらくろでも結構やれそうな気がしてきました。チャリ自体は宅急便で送ってしまうので、大きさは関係ないですが、それでも収納がコンパクトな方が、あちらでの機動力が増しそうです。コーダ君は沖縄本島、とらくろは先島諸島、ケースバイケースで考えてみたいと思います。



小径チャリへの私見
以前のページでも書いたように、小径チャリというのは人気がある一方、あくまで特殊なカテゴリーなので、一人ひとりの使い手が、どう取扱っていくかで失望したり、ダメ子扱いになってしまいます。乗り物=バイクとしてのバランスは、26インチや700Cには及ぶべくも無いので、費用対効果(CP)という視点では、どうしても見劣りしてしまいます。このことを意識して考えていくうちに小生なりの見解(小径チャリへの想い)が、次第に纏まってきました。(あくまで小生なりの見方なので、他の方にそのまま当てはまることは先ず無いかと思います)

まずは、昨今の小径チャリ人気は、小径チャリ=フォールディングバイク、ということが必ずしも前提にはなっていないことがあります。始めは小生も、畳めない小径チャリなんというのは意味がないと思い込んでましたが、小径チャリの使われ方をみていると、そのフォールディング機能は、買う時のきっかけにはなるものの、実際にはさほど使われていないという見方もあるようです。可愛らしさ=ファニー性や、肩肘張らないゆるさ=ローインパクト性などの要素で、小径チャリのもつフェロモンを皆さんが感じているためだと思われます。

一方、フォールディング性(とかポータビリティ)を見てみると、その優劣は、そっくりそのまま自転車サイズに当てはまりますので、小径なりのメリットは大いにあるということになります。ストレートに云えば、収納時容積が小さければ小さいほど、運搬には優秀ということになるのですが、移動手段(車両)という観点では、小ささと走行性能とのトレードオフの関係があるので、どこかの(妥協できる)サイズに着地することが必要になります。

そこでの回答が、取敢えず、いまのフォールディングバイクの多くのモデルが採用している20〜18インチの車径ということになるのでしょう。これ以上小さいと走行バランスが不安定になり、これ以上大きいとポータビリティやローインパクト性で意味がなくなるということなのでしょう。
ということは、自転車としての基本性能=走行性能という点では、許容範囲ではあるものの、けっこう限界点に近いものがあるとも云えます。言葉を変えれば、走行状態や路面の状況次第で、限界点を越えるリスクが高いということでもあります。

つまり、安定性を保てる範囲は、さほど高くないということを認識する必要があります。軽量化と細タイヤ、ギア比によって、小径バイクもかなりの速度を出すことは可能です。…が、限界は近いということを、乗り手が十分意識して走ることが必要です。
小生なりの結論ですが、速度とリスクはしっかり比例しますので、小径チャリではスピードは出さないように留意することが先ず肝心です。どうも小生の意識のなかでは中学生のときに起きた、あの事故のことがまだ残っているのかも知れません。

何十年も前の話です。台地の上にある中学校に通っていたとき、普通のママチャリから小径チャリに買い換えたばかりの用務員のオジサンが交通事故で亡くなりました。バス通りの坂道を下っているときにこけて、後ろから来た自動車に轢かれて逝ってしまったのですが、そこはゆるいカーブの坂道でした。当時では珍しい小径チャリだったので、今でも妙に記憶に残っているのです。

普通のチャリでも小径チャリでも、下り坂では同じだけスピードは出ます。でもコントロール限界点から云うと、明らかに小径チャリのリスクは高くなっています。そこに路面の凹凸や、小石や浮き砂などの障害物があれば、たちまち破綻(パニック)になるわけです。
高性能小径チャリの人気は結構なのですが、小生には百の理屈よりも、あの事実がまず気になってしまうのです。小径チャリを運転するとき、速度については十分過ぎるぐらい控えめにするべきだと、今でも自覚しています。

サイクルメーターとバックミラー
速度計もミラーも安全のために取付けました。



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